自分の小さな箱から脱出する方法
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今回の記事はコーチングなどでもよく使用される書籍をご紹介いたします。
その名も
ハッキリいって、すばらしい本です。
読むことをオススメします。
まず著者のご紹介からですが、名前は
「アービンジャー・インスティチュート」
一回じゃうまく言えない名前ですね。。。
著者といっても研究機関の名前で、主に組織内にある人間関係の諸問題を解決することによって、収益性を高めようという独自のマネージメント研修やコンサルティング業務を行っているそうです。
かなり有名な研究機関らしいですが私は知りませんでした。
だからと言って決してむずかしい解説書などではありません!
ストーリー仕立てで中学生でも十分理解できる内容です。
なぜなら「ビジネス」を舞台にしながら、本質はふだんの生活や会話にあふれている「自分の気持ち」にフォーカスした本だからです。
この本は一言でいってズバリ❗️
「人間関係」
に特化している本です。
ビジネスだけでなく、生きていれば誰でもぶち当たる、または覚えのあることだらけ。
そして読みすすめると過去の自分の対応や言動に後悔すること請け合いです。
これからもっと「子供に向き合おう」「妻を大切にしよう」または「部下にこのように接しよう」などと、
間違いなく過去の振る舞いを見直す良いキッカケを与えてくれる良書です。
もしかしたら「すぐにあの人に謝ろう」なんて気持ちをおこすかも?
わたし達は人に関わりつづけて生きる運命の人間です。
すぐに悪いところを直せる、使える部分もあると思います。「自分の棚卸し」のつもりでどんな内容かを読み進めていただければと思います。
なるべくシンプルにカンタンに表現いたします。
それでは目次はこのようになっています。
第1章「箱」という名の自己欺瞞の世界
第2章 人はどのようにして「箱」に入るか
第3章「箱」からどのようにして出るか
もくじ 少なっ!
たった 「3章」しかありません。
という事は「1章あたり」のボリュームがたくさんあるということですね。
ですがかなり端折って今回は第一章をわたしなりに「ぎゅー」っと詰め込んでまとめてみます。
第1章 「箱」という名の自己欺瞞の世界
まずは内容のまえに「自己欺瞞」???
と、わたしは思いました。
読みかたは「じこぎまん」です。
欺瞞(ぎまん)とは「ひとの目をごまかし、だますこと」だそうです。
という事は、「自己欺瞞」とは自分をごまかし、だます事?
ということになります。
これは大切なキーワードになるのでまずはこれを押さえておきましょう。
そして登場人物は主に ”4人” がキーとなり話はすすみます。
登場人物
トム(主人公) | 一人息子と妻に手をやいている |
バド | トムの上司(教育に長けている) |
ケイト | トムを最終面接した幹部(女性) |
ルー | トムの会社の伝説の男 (老齢で10年前に引退) |
鳴り物入りで入社してきた・・・と自分では思っている主人公「トム」は転職して1ヶ月。
ある日、上司の「バド」が自分の部屋に来るよう声をかけ、冒頭からこう指摘します。
「君には問題がある」
ここから物語は動き出します。
トムは仕事がバリバリできて、300人ほどの部下を与えられ、成果も出して自分ではさぞ「会社からの評価も高い」と思っていた矢先の事です。
「自分がいちばん努力している」という自負もありましので、上司のバドにかけられた言葉はいきなり腹をケリあげられたような衝撃的なものでした。
「成功してきたわたし」の問題点
トムは仕事にまっすぐ向き合い、朝・夜とわず仕事を忠実にこなし、実績も出し、現在転職した超有名企業にリーダーとして迎えられました。
これだけ聞けば「順風満帆」ですが、ほめられるどころか「自分に問題がある」とは穏やかではありません。
バドがいう、その問題とは・・・
「君自身がそのことに気づいていないこと」
バドは指摘された意味も分からず立ちすくむトムに、トムが今までしてきた振る舞いなど、「なぜそれを知ってるのか?」という事まで例を述べて、あくまで「優しく」質問します。
トムには身に覚えがある事ばかり。
別に上司のバドはトムを責めている訳ではありません。
しかしトムはいくつも挙げられる自分の「どれも正しい」と思える行いを聞かされているあいだ、表向き冷静に聞いていますが心の中では・・・
自分を怒らせる相手が悪い
と、心の底では少しイラついて聞いています。
そしてバドはようやく核心に触れ始めます。
「人間関係をスムーズにするための手法が威力を発揮するかどうかは、もっと深いところにあるものによって決まってくるんだ」
引用:54pより
(ちょっと長いですね・・・)
もっと深いところ・・・
そこではじめて本のタイトルにもなっている
「箱」が登場します。
「箱」とはどういうことか?
上司のバドはつづけます。
自己欺瞞とは、言葉をかえれば「箱の外にいるか、中にいるか」ということ。
それは、こちらが「見た目・外見」で何をしているかではなく、
心の中で相手をどう思っているかが問題
相手はそれに反応する
「自分」が心のなかで相手をどう思っているか?
こちらが相手に対して抱く感情は、何によって決まるかというと、こちらが相手に対して、「箱」の中にいるか外にいるかで「決まる」
引用:56pより
ここで例をだすと、新幹線の自由席で2人席の1人分が全て埋まっていて、誰かが座る席を探しているとします。
あたなは窓際に座っていて出張帰りで疲れており、リラックスしたい。
重いカバンを通路側の席に置いて新聞まで広げている。
おまけに通る人を「チラ見」して牽制までしている。
まさに「こっちに来るな!」というオーラ全開!
・・・完全に箱の中にいる状態ですね。
このような状態は典型的な「箱」の中に入っている状態。
どの席に座ろうか?と純粋に座りたい「人」を「モノ」としか扱っていない状態です。
では次のパターンはどうでしょう。
重いカバンを通路側の席に置いて新聞まで広げている。
通る人を「見ている」。
「あっ カップルだ。わたしが移動すれば2人で座れる」
「あの、よかったらどうぞ!」
どうでしょうか?
「箱の中」に入ってしまうと相手を「人として」見れなくなる。
(自分が世界の中心)
はたから見たら、声をかけるまでの行動には差はありません。
空いている隣の席に自分の荷物を置いている状態。
ただし、決定的な違いがあります。
それは目には見えない「心」の持ちかた。
行動は問題ではない
そうなのです。「行動そのものには問題がない」のです。
問題は・・・・行動よりも「もっと深いところ」にあるのです。
自分では意識していないかも知れませんが、自分が「箱」の中にいるうちは「他人を人間として見ていない」とこの本では言っています。
要は「自分が世界の中心」的な感覚に陥っているのです。
ひとつの例えではありましたが、普段の生活やビジネスの世界でも様々あてはまります。
場合によっては、いま思い出すと「なんて恥ずかしいことを!」といまさらながら悔やむ場面もあると思います。
わたしは結構どころか、かなり思いあたります
(恥ず・・・)
また、人間というものは「近しい人にはぞんざい」に、「遠い関係の人には親切」にするものです。奥さんや自分の親に横柄で粗末に扱うのをあらため直し、感謝をしましょう。
本記事では第1章を「できる限りカンタン」にまとめたつもりでしたがまだまだ書籍には大切なエッセンスが詰まっています。
まずは自分の心の持ちかたを冷静に考えて見て、今後の「生き方」に役立てましょう。何か誰かにイライラしたり、人を「モノ」として見はじめたら
あっ、いま自分は「箱の中」に入っているな!
と自らを戒めて、「一人の人間として相手と向き合う」ことを忘れず接しましょう!
(次回は ”第2章” をご紹介します。)