高校生 2ヵ月間 海の上!(その2)〜船の中での協働生活は完璧な3密状態だ!

  • 2021年1月4日
  • 2023年1月29日
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前回からの続き、その−2!

 

 

高校生2ヵ月間 海の上!(その2)です。

 

前回は全13巻からなる1〜3迄をご紹介
いたしましたが今回はいよいよ出航と
なる、4〜6までの記事となります。

 

1の巻 海洋実習とはなんぞや?
2の巻 生まれて初めて五分刈りに・・・
3の巻 持ち込み検査
4の巻 いざ出航!
5の巻 海水の風呂は真っ赤?
6の巻 ベーリング海は不気味
7の巻 悪魔の大しけ。ハンパ無い波!
8の巻 操業は意外に楽しい
9の巻 シャチが!!
10の巻 ロシア水域で友達ピンチ!
11の巻 タバコを吸ってバレた友人!
12の巻 釧路港に上陸!夢にまで見た陸!
13の巻 函館港に帰港 ~実習修了

 

若干17歳での船出です。

 

不安もあれば、どんな実習となるのか
楽しみ??? などさまざまな感情が
入り混じっての出航です!

 

 

 

【4の巻】いざ出航!

 

 

6月中旬のある晴れの日, 港からの盛大な
見送りをうけながら我らが船「北鳳丸」
は出航します。

 

その出航までの数ヶ月間はこれでもかと
いうくらいに目一杯遊びまくりました。

 

何せ約2ヶ月間遊べなくなるわけですから
心残りの無いようにまるで明日には
死んでしまうのか?といういうくらいに
本当に楽しい期間にしたのでした。

 

出来なくなって心残りになる事としては
パチンコ・マージャン・ビリヤードに
居酒屋・ディスコ(現在でいうクラブ)
通い・・・などなど多岐に渡って昼も夜も
さまざまな遊びに興じていたのです。

 

ちなみに当時のわたしは部活はすでに
辞めていたので普段から自由に遊び
呆けていたのでした。

 

そして2ヶ月におよぶ実習期間中に
懸念されること・・・

虫歯の多いわたしにとって一番の不安は
ズバリ「歯」でした。

 

万が一実習期間中に船の中で歯が痛く
なってしまっては自由がないうえに、
具合が悪くなるという二重苦、まさに
生き地獄と化してしまうので健康面で
不安がないようにちゃんと歯の治療も
行いしっかりとケア。

 

 

身体そのものの健康診断は学校側で行って
くれたので「歯」さえちゃんとケアして
いれば万全というものです。

 

そしてもちろん、何といっても愛しの彼女
とのしばしの別れは重大なこと。
心残りの
ないように頻繁に会って愛し合ったのは
いうまでもありません。

 

そして出航当日。

港には生徒のお母さんなどの家族や学校
関係者の盛大な方々がお見送りに駆けつけ
てくれています。

船の前で整列し、関係者からの訓示や
見送りの言葉などのセレモニーを終え、
そしていよいよ乗船。

 

いざ、2か月間の海洋実習へ。

と、 ここまでは大げさではありますが
とうの私はというと気心知れたいつもの
クラスメイトと一緒ということ、そして
もともと親元を離れていることもあって
特別な感傷もなく「行ってきま~す♪」
という超楽観的な船出でありました。

 

もともと船酔いは心配していない
ノー天気なわたし。

 

「行ってくるぜ!」

 

遠ざかる港と船が海面に描く白い軌跡を
眺めながら裕次郎チックなキザなセリフ
を心の中で呟くのでした。

 




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【5の巻】海水の風呂は真っ赤?

 

 

さて、出航してからというものいきなり
普段の生活では味わえない事が。

 

中でもお風呂には面喰らいました・・・

 

なにせ船の中では「真水」は超がつく
貴重なもの。

 

乗組員が浸かる風呂になんて使っていたら
あっという間に尽きてしまいます。

そこで外に有り余る海水をポンプで
汲み取り、生活用水に使用するのです。

 

生まれて初めて浸かる海水のお風呂

 

浴槽のフタを開けると・・・・・

 

何と!  お湯の水面に・・

 

真っ赤なものが浮いている!

 

何かと思いきや、海水は水道水とは違い
「プランクトン」を多く含んでいるのは
ご承知のとおりですよね。

 

その「プランクトン」が温められていい
感じに茹で上がってお湯の水面を真っ赤
に染めていたのです。

 

最初はやはり気味が悪かったのですが、
それにも皆んなすぐに慣れてそのうち
気にならなくなりました。

 

そしてもちろんシャンプーや石鹸で体を
洗った際に流すのも「海水のお湯」。

 

ちなみに五分刈りの坊主にシャンプーを
掻きむしっても一切泡立ちはせずまるで
タワシのように泡もどっかに飛び散って
いくだけです。

 

ほとんど地肌をこすっているような
ものですね。

 

 

それだけに髪を乾かすにも風呂上がりに
ちょっとバスタオルで頭を拭くだけで、
すぐに乾いてしまう。

 

わずかな水量ですすぎが出来てしまうし、
しかもドライヤー要らずではないか!

 

ここで初めて「五分刈り」の意味を
知るわけです。

「五分刈りは節水・節電に通ず」です。

 

ただ、さすがに海水だけではせっかくに
洗った体がベタベタしてしまうので、
風呂からあがる直前だけは「真水のお湯」
を浴びることを許されています。

 

ここでいう真水とは純粋なものではなく、
船内にポンプで吸い上げた海水を蒸留機
にかけて製造したものです。いくらでも
作れるからどんどん使えば良いじゃない?

と思うかもしれませんがそこは海の上。

 

機械が故障することもあればいざという
時に足りない、使えないなど不時の際に
備えるのが鉄則なのです。

 

人間やはり水こそが命の源ですからね。

 

 

【6の巻】ベーリング海は不気味

 

 

 

私たちが向かう漁場「ベーリング海」は
太平洋の最北部の海域でロシア領である
カムチャッカ半島その他とアメリカ領の
アラスカ半島その他に囲まれた、まさに
北極海に繋がる極寒で荒々しい海域です。

 

そのため海難事故が多く非常に
危険な海で知られています。

 

危険にはそれに見合う果実がつきもの。

 

昔からサケ・マス、カニの好漁場である
ことから[一攫千金]を夢見て危険な海に
挑み続ける猛者が絶えないワケです。

 

ちなみにこれでもかというほどに荒れ狂う
ことが多いベーリング海ですが、なぎの時
[なぎ=波が穏やかな状態] に見せる表情は
不気味なほど穏やか。

 

ある時には辺りには霧がものすご〜く濃く
立ち込めて、海面はというとまるで本当の
鏡のようにビタッーーーーーーーーっと
”うねり”のひとつもなく、同じ海とは
思えないほど不気味で奇妙なものでした。

あたかも映画で観た [八つ墓村] の一場面
のように、足が出てくるんじゃないか?
と思わせる程  [これはただじゃ済まない]


というあまりにも不気味な静けさに寒気
さえ感じたほどです。

 

そして数日後、その時は来ました・・・

 

ベーリング海がその牙を剥いたのです!

 

 

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