レビュー【フクシマ50〜死の淵を見た男】映画を観てきました

  • 2020年3月10日
  • 2021年2月28日
  • 映画
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Fukushima50 (フクシマ50)

 

(画像引用元:公式ページ)https://www.fukushima50.jp

 

 

昨日「Fukushima50」という映画を観てきました。

Twitterにも投稿しましたが、「非常によい映画」でした。

 

原作を書き上げた「門田隆将」さんあてにもコメント付きリツイートで感想を発信したほどです。

 

題材は、題名どおり「福島」。

あの3.11の津波被害をうけた福島原発事故です。

 

いまも深い傷跡がのこっていますが、

 


2011年3月11日 午後2時46分

の事故発生から明日、2020年3月11日で、まる9年の歳月が経とうとしています。


 

非常にデリケートな題材のため、映像化するのにもていねいに心を配りながらの制作であったことは想像に難しくありません。

 

現地にのこる技術者ふくめ、関連業者や自衛隊の方々、そしてそれぞれの家族や故郷の「福島」。

そして関係者、当事者であるはずの「東電本部」や「官庁」などなど。

 

”決死隊” と名付けての危険区域ないへの被害確認そのた調査のために1・2号機の施設内に

「居残った50人」

のちに海外メディアは

”Fukushima50”

と呼んだ。

 

さまざまな立場、感情、人間模様がからみあい、観るひとの心を捉えてはなさない映画です。

 

原作者は前述のとおり、

「門田隆将」さん。

 

いわずと知れたノンフィクション、ドキュメンタリーの分野では本当に有名で、キメの細かい取材・インタビューなどの裏付けや「門田さんだから話す」といったインタビューをうけた人も「こころを開いてしまう」人間的魅力も持ち合わせた方です。

 

T Vにも多数出演しておりますが、ノンフィクション作家の分野以外でも、わたしも好きなコメンテーターの一人です。

以下のとおり史実や現代のスポーツ界まで幅広い取材でそれぞれのドラマにある背景やエピソードを多く紹介してくれているので、ただの事象をだらだらと書かれていないので非常に興味がとぎれることなく読みすすめる事ができます。

(門田隆将さんのオススメ書籍)


あの一瞬 アスリートが奇跡を起こす「時」【電子書籍】[ 門田 隆将 ]

この命、義に捧ぐ 台湾を救った陸軍中将根本博の奇跡 (角川文庫) [ 門田隆将 ]

甲子園の奇跡 斎藤佑樹と早実百年物語【電子書籍】[ 門田隆将 ]

太平洋戦争 最後の証言 第3部 大和沈没編 角川文庫 / 門田隆将 【文庫】

狼の牙を折れ〜史上最大の爆破テロに挑んだ警視庁公安部〜【電子書籍】[ 門田隆将 ]

日本、遙かなり エルトゥールルの「奇跡」と邦人救出の「迷走」 [ 門田隆将 ]


 

原作本は以下のとおりです。

 

 

 

 

 

あらすじ

 

2011年3月11日 午後2時46分

マグニチュード 9.0

最大震度 7

 

日本の観測史上最大の地震が発生

 

そしてその大地震がひき起こした巨大津波が「福島第一原発」をはじめとする太平洋側の東北地方を襲う。

すべてが想定外。

 

福島第一原発所長の「吉田昌郎」と、

(画像引用元:公式ページ)https://www.fukushima50.jp

 

 

1・2号機当直長の「伊崎利夫」、そして

(画像引用元:公式ページ)https://www.fukushima50.jp

 

現場技術者たちは被害状況の把握とこれ以上の被害拡大を防ぐべく即時行動。

現場作業員たちは危険区域内施設の被害状況を調査するため「被ばく」をかえりみず調査に向かう。

そして・・・

 

津波による被害で電源を失ったことで原子炉の冷却ができなくなり、原子炉の建屋で起こったことは「水素爆発」。

最悪の事態「メルトダウン」

 

このままでは「メルトダウン」につながってしまう。

 

(画像引用元:公式ページ)https://www.fukushima50.jp

 

 

そのころ、東京・官邸では東電本部とのメルトダウンした場合の被害規模を試算していた。

その規模とは・・・

 


東京を含む半径250km

対象人口 約5,000万人


 

それは東日本の壊滅を意味する。

 

状況を把握していない東電本部とのやりとりや、非常事態のさなかに「首相が視察にくる?」ことに憤る。

それでも第一線の現場にいる責任感と故郷「福島を守る」という使命をこころに刻み、命がけの「被害拡大阻止」に併走する。

それでも容赦なく被害が広がり、更に圧力が装置耐久仮定数値の”2倍”以上を指す事態に。

 

このままでは圧力により崩壊し、メルトダウンは確実。

 

(画像引用元:公式ページ)https://www.fukushima50.jp

 

 

それを食い止めるために

残された手段は「ベント」

 

これは汚染された蒸気を外に吐き出し、過剰にあがった圧力を逃してやるという手法。

当然ながら、汚染された蒸気は外部の空気中に排出されることになる。

なんともやりきれない悲しい決断を迫られるが、東日本を壊滅させるわけにはいかないという中での苦渋の選択だった。

そしてついに、かつて世界のどこの国もやった事がない、未知の作戦を実行することが決定されるが・・・。

 

 

映画をみた感想

 

昨日みた感想としては、テーマが重いわりには率直に「よい映画」でした。

 

思わずわたしも他人ごとではなく、「自分ごと」として捉えてみてしまいました。

「自分ならどうするか・・・」

そんなことを何回となく考えさせられ、突きつけられた感じです。

東北の方達のみならず、関東にいた私にとっても当時のことを鮮明に思い出させるほど衝撃的な、そして心底「こわい」経験でした。

この映画をみて率直に感じたこと。

 

「リーダーは動いてはいけない」

 

これに尽きるということです。

 

 

映画にも出てきますが、ただでさえ現場は「経験した事がない事態」に立ち向かって文字どおり「手さぐり」状態で必死に作業をしている。

そんなさなか、のこのこ官邸から「総理・首相」たるものが現地視察???

 

現場がおさまったとか、数日経過してからならまだしも、

火事にたとえれば「今炎上している真っ最中」に、

よくもまぁ「のこのこ」と!

 

ハッキリ言って

「大迷惑」

「何しに来るの?」

 

現場は「それどころじゃない!」

しかも東電本部も「総理の対応をするように」なんてのんきなことを。

しかも「総理のマスクは現場で用意するように」だと!

 

わたしは映画館ですから声には出せませんし

心の中で

「本部が断れ!」

「総理を止めろ!」

と叫んでしまいました。

 

いつの時代も現場を混乱させるのはミスリードをしてしまうリーダー。

どの分野でもそうですが、現場は専門的な知識がある人たちに任せる。

 

そしてリーダーは、今回のケースなら住民の避難措置とか物資供給の手配とか、できること、指示すべきことはいくらでもある。

現場に関わることは、「現場の要請事項」だけいうこと聞いてやればいい。

 

それなのに「知りもしないくせに」現場に口を出して、叱責する。

解決のための「なんの助けにもならない」

 

チョロチョロしてないでドンっと構えてろ!

 

当然、映画ですから多少は脚色もあるかと思いますが、当時のニュースをよく覚えているので思い出して ”向かっ腹” が立つのです!

そして、ただただ責任と重責をまっとうした吉田所長はじめ、職員・技術者、それを支える総務(安田成美さんがその役)、協力業者、自衛隊の方々には頭が下がります。

「心からありがとう」と言います。

 

そして海外からの多大な援助も忘れてはなりません。

 

”トモダチ作戦”

 

映画にも出てきますが、米軍のには感動しましたね。

 

(画像引用元:公式ページ)https://www.fukushima50.jp

 

被害を食い止めるために戦った方達がいる一方で、避難せざるを得なかった住民の方々。

不自由な日々をおくることを余儀なくされて、本当に ”ガマン” の連続。

あらためて辛かっただろうと思いを巡らせると同時に悲しい気持ちになりました。

 

あれから9年がたち気がつかないかも知れませんが、「東日本大震災向けの募金箱」を設置している店舗はまだまだたくさんあります。

 

かくいう私も、この記事を執筆する前に立ち寄った

「100円ショップ」で募金をしました。

(募金したのは100円じゃありませんが)

あの地震、津波による被害から9年たとうとしていますが、当然ながらその時にうけた傷は一生癒されるものではありません。

あらためまして、東日本大震災で不幸にも犠牲になられた方々、被災・被害にあわれた方々、そのご家族の方々に対し、心よりご冥福、お見舞いを申し上げます。

 

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