アメリカ「ドル$」は世界の通貨
2022年の1月も本日限り。
2月4日からは「北京冬季オリンピック」の開会式を控えているというのにウクライナではロシア兵が侵攻準備を進めていますね。
もうロシアもやりたい放題。
ロシアが「天然ガス」を手にして以来、かつてのズタボロ経済から脱皮していますのでバイデン大統領がいう経済制裁なんてあのプーチンは鼻にもかけません。
経済制裁なんて「勝手にやれば?」ってなもんですね。
しかし世界で紛争が起きれば介入するのがアメリカ。あの「バイデン」だってそうそう黙ってはいられないはずです。
ちょっと前までは「世界の警察」とまで言われたアメリカですが、わざわざ他の地域にまで出向いて軍を派遣するには介入する理由と余力がなければ対峙できません。
何をするにも「お金」が必要。
そもそもなぜ圧倒的に歴史の浅い「アメリカ」にはこのような強大な国力・経済力が備わっていったのでしょうか?
「米ドル$」はなぜ強くなった?
言わずもがな。
アメリカといえば誰もが認めるメディア・エンタメ・スポーツ・経済・金融・軍事・マーケット・・・などなど、どれもこれも世界の中心。
しかし過去を振り返れば第一次世界大戦まではイギリスこそが世界経済の中心、そして「ポンド£」こそが世界の基軸通貨でした。
そもそも大航海時代から世界の基軸通貨と呼べるものは「銀」でした。
その後「銀山の掘り過ぎ」によって銀の価値が落ち、より価値の高い「金」へと基軸通貨が移っていきます。
イギリスはその頃まで世界中の大陸あちこちに植民地を獲得していった末に「日が沈まない国」とまでいわれた超大国で、まさに世界の中心でした。
そのような状況ですので貿易に使われた代金として世界中の金が大量にイギリスに流れ込みます。
そうなれば自国発行の通貨が「圧倒的な力」を持ち、国力が更に強くなり、その流れでイギリス発行の「ポンド£」が世界の基軸通貨となって大英帝国が繁栄を極めるに至りました。
それが大戦後に一変します。
「ポンド」から「ドル」へ
1914年7月28日
「サラエボ事件」を発端とした第一次世界大戦が勃発します。
当初は「クリスマス迄には戦争は終わる」と言われて楽観視されていたものの、参戦国の増加とともに予想以上に戦争が長引くことになります。
戦争をするには「お金」が必要。
それにより参戦各国の「戦費」がかさみ、当然ながら他国に借金をして戦争を継続させざるを得なくなります。
やがて戦争が終わり、イギリスを含めたヨーロッパの各国は当然ながら借りたお金を返さなければいけません。
戦費でお金を使い果たしたイギリスが支払えるまとまった資金といえば、それまで貯め込んだ「金」です。
その大量の「金」を手放すことで、国の国力の象徴である「ポンド紙幣の後ろ盾を無くしてしまう」ことに繋がったのです。
- お金はただの紙。その紙に価値があるのは「信用」のお陰
ポンド紙幣の価値の根拠となる信用、「金」を放出してしまったイギリス。
たとえ「戦勝国」とはいえ史上最大の犠牲者を出してしまったうえに戦後の疲弊しきった国内情勢・経済状況を立て直すのには時間がかかります。
このような状態ではまず国内優先。
国外に向ける余裕もなく国とともに「イギリスポンド£」は衰退していったのでした。
基軸通貨は「ドル」へと取って替わる
前述したイギリスなどのヨーロッパ諸国の借金はアメリカが融通したんだ。戦費が足りなくなり財政難に陥った各国の政府が発行する「戦時国債」を引き受けるなどしてアメリカが「債権国」となったんだ。
ロンドンの金融街「シティ」から、大量の「金」がアメリカのニューヨーク金融街である「ウォール街」に移ってしまいます。
第一次世界大戦を経てからヨーロッパ諸国は疲弊してしまい、世界情勢は一気にポンドから「無傷のアメリカの紙幣であるドル」へと優位性が変わっていきました。
そしてそれ以降ついに「ドル$が基軸通貨」になり、更にアメリカは石油・工業力や金融業界でも比類ない成長をテコに巨大経済大国となったのでした。
・返済のためイギリスが大量の「金」を放出
・アメリカが交戦国へ「大量の武器」を輸出
・アメリカが戦場になっていない
・アメリカが各国政府の「債権国」となった
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