映画「焼肉ドラゴン」
今回は題名と内容があっていないために「ジャケ買いされない」、または「ジャケ観されない」映画の紹介です。
題名は「焼肉ドラゴン」
題名だけだと、
「いったい何の映画なの?」
としか思えないですよね。
あらすじは以下のとおりですが、ひと言でいうと、
「家族愛」にあふれた非常に引き込まれる良い映画です。
キャストは以下の通りです。
主なキャスト
- 父(龍吉)・・・キム・サンホ
- 母(英順)・・・イ・ジョンウン
- 長女(しずか)・・・真木ようこ
- 次女(りか)・・・・井上真央
- 三女(みか・母の連れ子)・・桜庭ななみ
- 末っ子の長男(ときお)・・・・大江晋平
- 店の常連客(てつお)・・・・・・大泉洋
- りかの不倫相手(はせがわ)・・大谷亮平
動画引用元:Youtube PHANTOM FILM
家族の生い立ち
舞台は「昭和44年の日本、関西の地方都市」
それぞれ子連れの二人。
韓国人で父の「龍吉」は2人の娘をかかえているが戦争で左腕を失う。
韓国人で母の「英順」は1人の娘をかかえ、韓国済州島でおきた「四・三事件」で逃れるように日本に来日。
日本で出会った二人は子連れ同士で再婚。
国有地を不法占拠した関西の地方都市で、焼肉店をはじめます。
店名は「焼肉ドラゴン」。
その後、2人には「ときお」という末っ子、男の子が生まれます。
そして、大阪万博開催の1970年を迎えます。
あらすじ
画像引用元:ciatr[シアター]hpより
常連客で、家族同然の付き合いをしている「てつお=大泉洋」は次女の「りか=井上真央」と婚約。
しかし、区役所に婚姻届を提出しに行ったハズが、職員とケンカになりそのまま帰ってきます。
じつは「てつお」は過去に、長女である「しずか=真木ようこ」と交際していました。
でも「ある事件」が原因で別れた過去がありました。
「まだお姉ちゃんのことが好きなのでは?」
婚約している次女の「りか」は当然そう勘ぐります。
画像引用元:ciatr[シアター]hpより
(実際、心の中では未練タラタラのてつお)
「てつお」はケンカして帰ってきた事をすなおに「りか」にあやまり、2人は仲直りします。
でもその後の2人は、やはりギクシャクでうまくいきません。
一方で、長女の「しずか」はそんな2人に気をつかったのか、「好きでもない人」と付き合うようになります。
そして三女の「みか」はクラブのオーナーを務めている子持ちの男、
「はせがわ=大谷亮平」と不倫の関係に・・・
画像引用元:ciatr[シアター]hpより
そんな3姉妹ですが、末っ子の唯一の「男子」、「ときお」は中学生。
でも中学校では「イジメ」をうけていたのです。
それが原因で失語症をわずらい、不登校のまま留年となります。
「ときお」に悲劇が・・・
そんなある日、とうとう家族が思いもしなかった悲劇、あってはならない悲劇が訪れてしまいます・・・
わたしは母の泣き叫ぶ姿が目に焼き付いて、今もはなれません。
そんな中、「焼肉ドラゴン」は国から「立ち退き」を命じられることに。
「この土地は買ったものだ!」
「戦争でなくした腕を返せ!」
「”ときお” を返せ!」
父親である「龍吉」は役所の職員にこう叫びます。
それから・・・・
1971年の春。
とうとう、「焼肉ドラゴン」は取り壊される。
「てつお」は、ず〜〜〜っと思いを捨てきれなかった長女の「しずか」と結婚することができ、北朝鮮へ。
次女の「りか」は、常連客の男と結婚して韓国へ。
三女の「みか」は、不倫していた「はせがわ」との間に子供を授かり、「はせがわ」は妻とわかれて晴れて「みか」と結婚。
2人そろって日本でスナックを経営することに。
そして一家は離れ離れに。
画像引用元:ciatr[シアター]hpより
映画を観たまとめ
豪華キャストの中でも、韓国俳優陣の突出した演技がひかります。
とくに、「父親役」キム・サンホ
寡黙でしずかなる怒りを常に抱えながら、それでも家族に対する愛情は人一倍ふかい。
あの人間性をだせる一番の適した俳優をつかった、そして本人は演じ切ったと思います。
また、「母親役」イ・ジョンウン
家を切り盛りする、日本でいう「肝っ玉かあさん」
貧しいながらも肩を寄せ合う家族、もちろん連れ子だろうと関係なく家族を愛し、時には夫の連れ子の「しずか」に悪い虫がつきそうになると「本気」で追っ払ったり。
物語のじくとなる部分を、この2人がしっかりと作っていたからこそ、ストーリーに引き込まれ、感情移入できたのだと思います。
最後には大切な「店」を取り壊されて、
大切な「家族」とまで離れ離れになるのですが・・・
わたしが最後にすくわれたと思うシーンは父親の言葉でした。
画像引用元:ciatr[シアター]hpより
最後のシーンの「父」のセリフ
春の舞い散る「桜ふぶき」をみて・・・
「ワシらを祝福してくれとる」
「こんな日は、昨日がどんな日であったとしても、明日を信じられる」
このことばが胸をうちます。
笑いもあり、人間の感情むき出しもあり、涙ありの「かくれた傑作」!
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