映画「ちいさな独裁者」
今回ご紹介する映画は”衝撃の実話”
「ちいさな独裁者」のレビューです。
ひとりの脱走兵が「狂気の独裁者」
のように振る舞い、周りの兵たちを
巻きこんでいく・・・
こちらはわりと新しい映画で、
2019年2月に公開された映画です。
画像引用:映画.com
この実話をもとにした映画は人間の裏側にある
「権力欲」を表に出してしまった男の物語です。
そして登場人物は大きく「3つ」
のタイプに分かれます。
- そのニセ権力を「行使する」もの
- その権力者を「利用する」もの
- その権力に「ひれ伏す」もの
あらすじはこちらです。
”実話” です!(あらすじ)
画像引用:映画.com
第二次世界大戦末期の1945年4月。
もはや敗戦が濃厚となったドイツにおいて
その規律の乱れから兵士の脱走や軍規違反
が横行していた。
そんな不安定な情勢のなかドイツ軍の兵士
「ヘロルト」が部隊から脱走をはかる。
命からがら憲兵から逃げきったヘロルト
だが道ばたに打ち捨てられた軍の車両を
あさる。
そしてその中にあったものは・・・
「ドイツ将校の軍服」
すこし大きいサイズだがそれを着て
「大尉」になりすますことを決める。
いく先々でヘロルトを本物の大尉と
思い込む兵士たちを次々に服従させ、
しだいに権威を振るうようになる。
日増しにエスカレートする「ニセ大尉」の
蛮行に周囲も嫌気をさす。
動画引用:Youtube(シネマトゥデイ)
「本当に大尉か?」と疑いを持つもの、
あくまでも「ニセ大尉」に取り付くもの。
しかしそんなウソも長くは続かない。
ヘロルトはついにドイツ軍事警察に
逮捕される。
その頃ドイツの戦況は悪くなるばかり。
迫るソ連のベルリン侵入により、
ついにヒトラーは自殺する。
一方のヘロルトは脱走や自らの
偽装行為を認めるが・・・
この映画ストーリーの背景
画像引用:映画.com
この映画の基になった人物は
「ヴィリー・ヘロルト」という
ドイツ軍兵士。
このヘロルトが経験した
実話に基づいています。
「ヒトラーからの命令」とウソをつき、
まさに権力を使ってやりたい放題。
ペーペーの兵士だけじゃなく、
おなじ将校クラスの兵士たちも
巧みなウソに翻弄されて信じて
しまいます。
こうなると人間は調子にのるもの。
若きドイツ軍脱走兵がその「権力」を
手にすることでまるで怪物のような
「独裁者」へと変貌をとげる様は
どこでもあり得る怖さを感じます。
だます本人だけでなく、その権力者を
- 「利用して自分もいい思いをする」
- 「これは正義だと自己正当化する」
現代の社会でもありがちな人間の
弱さとズルさ、みにくさが
むき出しに表現された映画です。
原題は「Hauptmann」
画像引用:映画.com
原題は「Hauptmann」
ドイツ語で「大尉」の意味だそうです。
しかしこの「大尉の軍服」を着ただけで
こんな恐ろしい事ができてしまうとは。
ヘロルトも最初は軽い気持ちで
大尉の軍服をはおってみただけ。
しかし「マネごと」からしだいに
「本気のなりきり」へと変化する心。
そして大尉になりきった自分が絶大な
「権力」を持っていることに気づく。
ついにその「権力を振るう」という
「実行」に移るともう止められない。
すべてを思い通りに出来るという
快楽に酔いしれてしまいます。
これが「権力」という力の怖いところ。
この映画は「パラサイト」と同じように
最初は「だます」という部分で気楽に
楽しめるのですが、途中から「怖い」
展開へと変わっていきます。
そしてグイグイひき込まれます。
まだまだ「コロナの影響」が収まらず、
自宅にいる事がおおいご時世では
「映画」や「読書」がいちばん!
その中の一本としてこの実話に基づく
物語を見てみてはいかがでしょうか?
画像引用:映画.com